2008-09-20
絶対に負けられない戦いだった。
今節のジェフ千葉は、コンサドーレ札幌との戦いを迎えるべく、壮絶な覚悟を伴って札幌厚別に舞台を移した。
私は一ヶ月前からこの遠征を計画していたが、初動が遅かった為に航空チケットが満席で取れず、結局は試合前日の休みも返上することにした。しかし、割高な航空チケットの残りはあった為、クラブ、選手、スタッフ、サポーターが一丸となって総動員で戦いを呼びかける“今こそWIN BY ALL!活動を展開しているこの時期に、遠征を取りやめたことへへの後悔と少しの後ろめたさとなって返ってきた。それは、せめて現地で応援しているサポーター達と少しでも一体になりたい心境から“贖罪”といっては少し大げさかもしれないが、外出を控えLIVEで応援することにした。
今節のフォーメーションは、4−2−3−1で巻が1トップに入り、左右のウイングに深井と谷澤、前節に勝利を呼び込んだ工藤が二列目の中央に配された。おそらく、今後に向けて山場となる重要なゲームであるだけに、まずは中盤のハードワークで試合を有利に展開し、巻のポストプレーに加え、ゲームメーカーの感覚にも優れた工藤を中央に置くことで、攻撃のオプションを増やそうとする意図があったのではないかと思う。
立ち上がりのジェフは完璧と評価して良い程の出来だった。
開始5分には、深井のクロスにダイビングヘッドで巻が応えた。惜しくもキーパーのファインセーブによって得点を阻まれてしまったが、その後も、深井と工藤が目まぐるしくポジションチェンジし、相手を窮地に陥れた。そして、中盤での下村を中心とした相手への早い寄せとチェイシングによるハードワークで中盤を制し、ダヴィへのパスの供給を絶つことで、リスクを回避することに成功していた。
そのような展開がゲームが進行する中、深井が裏を抜けてペナルティエリアに突進し、ファウルで止めた箕輪が一発レッドの判定で得たPKをボスナーが決め、アウェーで幸先の良い先制点を挙げた。
その後も、左サイドの青木の効果的な上がりや、谷澤のシュートなどで追加点を狙っていったが、ここで相手に精神的な打撃を与えられなかったことが、その後の展開をシビアなものにし、払拭したはずのメンタリティの脆さが露呈してしまったように思う。
前半終了間際に訪れた、ダヴィの個人技による同点弾は、数的有利による楽勝ムードが儚く消え去った瞬間だった。
しかし、後半開始早々に、谷澤の完璧な精度のクロスに反応した巻が、またもや二戦連発のダイビングヘッドでゴールを生み出したことで、チームが勢いを盛り返した。
この時、後半開始15分までに1点を取ってくるような明確な支持が出ていたように私は推測しているが、点を取りに行こうにも、例え実力があって決定力の高いFWがいるチームでも、そう簡単に狙って得点を挙げることができるチームは数少ない。
これは、プレミア仕込みの陣頭指揮が為せる技なのか?
ジェフがこれほどのパフォーマンスが挙げられるチームになったことに、偶像崇拝にも似た信頼感をミラー監督に持ってしまう。
だが、同じ残留を賭けてこのゲームに挑む相手も黙ってはいなかった。
疲れからか、プレスの甘さが目立つようになった後半15分過ぎくらいから、再三に渡って、札幌の上里にジェフの右サイドの背後の大きなスペースを突かれ、そこから何度も危機に陥れられた。その結果、ゴールラインに逃れることが多くなった必死のディフェンスも奏功せず、コーナーキックからまたもや同点とされてしまった。
その後、指揮官は、運動量の落ちた戸田と斎藤を交代させて中盤を安定させ、攻撃の中心的役割を担っていた深井が新居、そして根本を工藤と交代させ、挽回を図った。おそらくこの采配によって、落ち着きを取り戻したことが、激闘に終止符を打たせたのだろう。
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