■経済問題への財政出動は得策か
アメリカの金融不安のニュースを取り入れることを予定していなかった為、論旨から乖離してしまったが、総裁選の当開票も明日に迫っているので、尻切れ蜻蛉になってしまうが、急ピッチで完結させたい。
政治への不信感とアメリカの金融情勢によって主役を奪われ、いまいち盛り上がりに欠ける総裁選だが、圧倒的に麻生氏が有利にも関わらず、“仲好し行脚”や派閥を分断してまでの支持合戦、そして小泉元総理の「何も言えねぇ」発言から一転して小池氏百合子氏の支持に回ったことなどを見ても、その後の解散総選挙を睨んで国民に政策などをアピールするための総裁選であることが一目に見て取れるだろう。
アメリカ民主党の大統領候補選出のように政策論争や中傷に至るまで派手にやりあって欲しいものだが、ヒラリー支持者がマケイン支持に回ったことへの両者共倒れを懸念しての“仲好しこよし”状態なのだから、いまいち盛り上がりに欠けるのは否めない。
とはいえ、5候補者ともプライマリーバランスの2011年度黒字化方針の堅持を初めとする経済政策では共通しているが、財政改革では、意見が分かれているようだ。
総裁が確実な麻生氏の場合、経済問題に比重を置くことで、仕切りに財政出動と減税を唱えているが、果たしてこの政策は奏功するのであろうか?
今の需要の冷え込みは、日本の最大の貿易国であるアメリカ経済の悪化や原油高から波及した食料品の物価高からくるものであるのに、財政創出によるケインズ的な有効需要の統制といったやり方に対し、どうしても疑問符が付いてしまう。
経済への財政出動は、一時期的な景気対策にはなると思うが、民間企業はいつまで続くかも知れない絶え間ない経営努力の日々を送っている。再び消費を加熱させる一番の薬は物価の安定にあることは、紛れもないことであるので、この対策として財政出動は一つの有効な手段ではあると思うが、果たしてどうだろう。目先の場当たり的な手当てよりも、多少の痛みは放置し、思い切ってメスを入れることも必要ではないだろうか。
その行財政改革の構造改革を目指す政策では、小泉氏が推薦する小池百合子氏の公約は魅力的である。
小池氏を支持する、郵政改革を実践した小泉元首相に対しては、常に「市場原理主義」的であると批判が絶えないが、金融システム維持のため、金融機関に公的資金を注入したことからも、政府にしかできない役割を実践している上で、それは決して「市場原理主義」的はないという意見もあるが、小池氏は小泉路線を踏襲すると言い切っている。
その小池氏の行財政改革だが、“霞ヶ関改革”と銘打った「官僚主導から政治主導への転換」を明言し、小さな政府を目指していることである。その目的は、「公務員制度改革」にあり、頭でっかちな官僚の天下り体質を根本から変える効果を狙ったものである。そして、にわかに囁かれている、特別会計の積立金などの“霞が関埋蔵金”を使用することで、経済と財政を当面の間維持しようという目論見である。
消費税や法人税、所得税などの税制改革は、今後の日本の経済状況や人口推移などの社会情勢から、年金制度や社会保障費を見据えれば、増税の実行は止むを得ないと思うが、時期を間違えれば日本経済が急激に影を落とすことも考えられる為、経済界からの反発は必死である。そうした理由から、まずは恒久的な行財政改革から手を付けるのが最もであるように思う。
その4へつづく
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